「かに道楽・紋別工場」へ、手品の種を見つけに。
それは、今年5月のこと。秦建設社長、秦啓一郎は、北海道・紋別市を訪れた。行き先は「かに道楽・紋別工場」。以前から『かに道楽』のおいしさのルーツに興味を抱いていたが、今回、特別に工場が公開されるという、またとない機会に恵まれ、流氷が去ったばかりのオホーツクの海へ「手品の種」を探しに行ってきた。
「カニは冬の食材だと思われがちですが、オホーツクで捕れるものは4月下旬から10月が時季なんです。弊社がすべてに優先するのは『味』と『鮮度』。それを1年を通じてお客さまに安定してご提供するために1962年、北海道紋別の工場をカニ専門の加工工場として稼働させました。今では年間1000トン、約200万匹を全国の『かに道楽』へ送り届けています」と語るのは、JRI株式会社かに道楽の代表取締役社長、今津文雄さま。全国に44店舗を展開する美食の殿堂のトップだ。あらためて言うが、カニは鮮度が命。私たちがお店で何気なく口にする活カニも、年間を通じて安定供給するためには、並々ならぬ企業努力が必要。その意味で、紋別工場は『かに道楽』の『素材=品質への執念』が結晶した一大拠点といえる。
紋別工場を訪れた秦社長はこう語る。「舌の肥えた大阪人を納得させる『かに道楽』。高品質のカニを安定的に提供するには、何か特別な仕掛けがあるのでは?その手品の種を見てみたいと思いました。紋別港の一番奥の船着場のすぐそばにある、その工場は、ロシア船から直接水揚げされたカニの税関の検収所にもなっているそうで『保税蔵置所』の看板がかけてあり、許可された人のみが入ることができる場所です。中にはプール並みの400トン水槽があり、活カニだけで最大10万匹の荷受けができるそうです。海底で食べた物を体外へ排泄し終わる4〜5日ほど水槽に入れ、その後出荷。どの水槽も澄みきった海水であふれていました。初めて工場を拝見して、さすがに『かに道楽』と感動の連続でした。清潔な工場、ベテラン従業員さんによる神わざ的な選別、『活かに』として 『活きのよいまま』店舗へ送る梱包技術。トンネルフリーザーと呼ばれる先進の瞬間冷凍加工設備など。そして、この工場とここで働く人たちが『かに道楽』のお店を支えている。そのことがとても印象に残りました」。
そんな秦社長の言葉に…「うちは、カニだけですから…」と淡々と語る今津社長。しかし、カニひと筋を極めるために『かに道楽』では素材だけでなく、店づくりにも常に細やかな心配りをしている。かつて秦社長は20代の頃から故・今津芳雄会長 (今津社長のお父さま、『かに道楽』を1代で築いた伝説の創業者)の店づくりの作法を見てきた。「経営者としての心得はすべて会長から教わった」と公言するほど、その心得と経営姿勢は、今も秦社長の心の指針となっている。
カニの『味』と『鮮度』を安定してお客さまに提供する。これを続けていく。さらに改善していく「経営者の品質への執念」。これこそが「手品の種」と納得。後味のよい工場見学となった。
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