岡山市の市街地を北へ向かう。新幹線の高架を通り過ぎると大和町の交差点へ。左手の一角を見上げれば6階建ての真新しいマンションの美景。今回紹介する家族の物語は、そのマンションのオーナー・渡邉家の話。物語は先代当主・寿夫さんと秦社長の出会いから始まる。
「寿夫さんと出会ったのは、ラッキョウ畑でした」と「パレスコンフォート大和町」を見上げながら感慨深げに話す秦社長。昨年3月に完成した「パレスコンフォート大和町」は、賃貸マンション。1階にはクリーニング店の受付と24時間のコインランドリー。昨年10月には、「幸せのクリームパン」で有名な人気店『Masabakery(マサベーカリー)』の2号店『空とパンとハンモック』がオープンした。たくさんの家族連れやカップルで賑わう「パレスコンフォート大和町」のエントランス。ラッキョウ畑の思い出を秦社長が続ける。 「渡邉家は北区学南町にもマンション(パレスコンフォート学南町)を所有されています。かつてそこはラッキョウ畑で、22年前、秦建設はその近くにマンションを建設中でした。資材置き場がなくて困っていたところ、寿夫さまが『そんなに困っとるなら、ここを使やあええが』と畑のラッキョウを抜いて、土地を貸してくださいました。そのうえ、抜いたラッキョウをわざわざ漬けて持って来てくれたんです。その優しいお人がら、ご厚情を今も忘れることはありません」。
その出会いから7年後に「パレスコンフォート学南町」が完成(秦建設設計・施工)。残念ながら寿夫さんは完成を見ることなく他界されたが、「わが家のマンション」は寿夫さんと奥さまの夢だった。
それから15年の月日を経て完成した「パレスコンフォート大和町」。寿夫さんから息子、孫、ひ孫へ。まさに親から子へ、子から孫への幸福のたすきリレー。
「現当主の進さまもお孫さまも寿夫さまの想いをしっかりと受け継いで、渡邉家の財産を着実に築いておられます」。
その言葉に進さんは、「入居者やお客さんで賑わうこの光景を見ると、今まで自分たちがしてきたことが間違いではなかったと実感しています」と話す。大和町のランドマークとしてたくさんの笑顔が集う「パレスコンフォート大和町」。寿夫さんの想いがまたひとつ形になった。
寿夫さんに出会った時、秦社長は47歳の働き盛り。根っからの働き者だった寿夫さんは、夜遅くまで泥にまみれて働く秦社長の姿を見ては「お互い、よう働くなあ」と笑い合ったという。「ラッキョウを食べるたびに寿夫さまを想い出します」。手作りのラッキョウ漬けは、今でも秦社長の大好物だ。
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