今回紹介する武田家は、3度目のオセラ登場。「働き者」として近所でも有名だった祖父の惣次郎さん(昨年12月にご逝去)と利恵さん、2人の姿勢を脈々と受け継ぐ息子の薫さんと妻の和子さん。そして惣次郎さんが可愛がった孫の英明さん。そんな武田家に3棟目のマンション「福富グラードマンション」が完成した。そこに至る家族の尽きぬ思いをうかがった。
以前のオセラでも紹介したが、薫さんと和子さんの「忙しい毎日」は今も変わらない。毎朝5時には起床、5時半から3棟のマンションを順に回る。エントランスの掃き掃除、モップ掛け、駐車場のゴミ拾い。そして何よりも楽しみにしているのが入居者との朝の会話。「いってらっしゃい」「毎朝ご苦労さまです」。交わす言葉は二言三言。それでもお互いの気持ちは通じ合い、温かな心に満たされる。それが雨の日以外、粛々と日々続く。
「毎日大変ですねと言われることもありますが、私たちにとっては楽しみで仕方ないんです。入居者の皆さんの元気な顔、喜ぶ姿を見るのが何よりの支えです」と薫さん。その言葉に和子さんは…「いつもひと言、声を掛けるんです。『今日は早いねえ』とか『気を付けて行ってきてね』とか。ちょっとしたやりとりですが、入居者の方々の元気な姿を見ると、その日1日安心できます」。
「忙しい毎日」を楽しそうに笑顔で語る両親を見ながら長男の英明さんはこう語る。
「父も母も以前よりさらに元気、生き生きとしています。2人ががんばればがんばるほど自分が同じ様にできるのかプレッシャーを感じます(笑)。3棟のマンションは両親にとって一生懸命働ける場所、生きがいそのものなんです」。
惣次郎さんの薫陶を一身に受けてきた孫の英明さん。現在の自宅は惣次郎さんの奨めがあって建てたもの(秦建設施工)。その時の惣次郎さんとの秘めたエピソードを聞かせてくれた。「今でも覚えています。私の家を建てる際、祖父に『秦社長に会いに行け』と言われたんです。祖父から願いごとを言われたのはそれが初めて。まだ若かった私に、『あの人(秦社長)に会って学んで来い』という祖父なりの励ましだったんだと思います」。
英明さんのエピソードを聞いた秦社長…
「その話は今、初めて聞きました。惣次郎さまには『全天候型の家を孫に建ててくれ』と依頼されました。後年、その時のことをお尋ねしたら『人生は晴れの日ばかりではない、いや雨や風の日の方が多い。どんなことがあっても乗り切れる、そんな家にしてほしい』というのが真意でした。惣次郎さまらしい孫を思う心だったんです」。
惣次郎さんの勤労意欲は薫さん、英明さんへ連綿と受け継がれている。親から子へ、子から孫へ。武田家の確かな歩みが再び始まった。
「福富グラードマンション」の屋上から武田家の本宅、英明さんの自宅を一望する秦社長。「ここからの眺めを惣次郎さまにぜひ見ていただきたかった」としみじみ。感慨深げな秦社長の姿を見て、ゆっくりと頷く薫さんと英明さん。「祖父はきっと喜んでいる」。武田家のみんながそう信じて…。
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