今回紹介する『カルマーレ立花』は、3棟から成るロフト付きのメゾネット型賃貸住宅。閑静な住宅街に溶け込むモダンな2階建て。もともと、この土地は時美さま(姉)と施主の江田史子さま(妹)のお母さま(故人)が苦労を重ねて購入したもの。それだけにお2人の思い入れは人一倍大きい。『カルマーレ立花』は、働き者の母と、その母を今も深く慕う姉妹の汗と涙の結晶である。
「母が一生懸命働いて手に入れた田んぼを後々の代まで大切に残せないかと、姉と相談して秦社長にお願いすることにしました。最初はRCのマンションを奨められたのですが、最終的には住む人が癒され、周囲にも溶け込むメゾネット型に決めました。今日こうして完成した建物を見ると、秦社長にお任せして間違いなかったと実感しています」と語る史子さま。
いっぽう、姉の時美さまは、亡きお母さまの思い出話になると、ついあまたの思いがこみ上げてくるようで…。「父と母は、結婚後は父の本家で暮らしていました。そこでいろいろ苦労を重ねた後、意を決して自分たちの住処を持とうと本家を出たそうです。その時、本家からもらった一着のかけつぎだらけの上着。それを母は、私たちに『これは我が家の家宝よ』とのちに笑いながら見せてくれました」。
そんな明るく、気丈だったお母さまが、40歳の時、旅行で訪れた京都で呉服商に出会ったのをきっかけに自ら呉服店を開業。もちろん当時、お母さまには呉服の知識も商売も経験もなかった。
「厳しい見立てで知られる京都の商人にいきなり『あんた、着物売ってみなさい』と言われたそうです。お洒落には縁のない、質素な母でしたが人柄を見込まれたんでしょうね。それから母は足繋く京都に通って、着物や日本画など、『京都の一流』を黙々と勉強しました。実は母が起こした呉服店の屋号が『立花』なんです。ここは母が着物を売って貯めたお金で買った土地、母の汗がしみ込んだ土地です。母の名残をとどめたくて『カルマーレ立花』と名付けました」と泣き笑いの史子さま。
そんな、お2人の話に秦社長も感銘を受け…「お二人はご主人も含めて本当に仲のいい姉妹。お母さまのご遺徳なんでしょう」と語る。この地に来ると、お母さまの在りし日の姿を思い出すのか、お2人の話はいつまでも尽きることはなかった。
そんな楽しい取材、最後に史子さまがもらしたひと言が印象的だった。「実は母と秦社長はよく似ているんですよ(笑)。正直なところ、裏表がないところ、何事もきっちりしないと気がすまないところ…。面白いめぐり合わせですね」。
お母さまの思い出話はいつまでも尽きることなく…
家族揃って泣き笑いの心に染み入るひと時。親から子へ、子から孫へ。お母さまが残した一番の財産は、仲睦まじい姉妹の真心かもしれない。
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