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身障者が集い、暮らす「吉備ノースヴィレッジ」

身障者が集い、暮らす「吉備ノースヴィレッジ」

まばゆい陽ざしが、これから訪れるであろう本格的な夏を予感させる。しかし、ここは吉備高原。鳥たちのさえずりとともに運ばれてくる風には、涼の趣がある。豊かな森にはウグイスの姿も…。風に揺れる枝葉に懸命にしがみつく、その健気な姿に、がんばれ、がんばれと心の声をかける。


「もしも、あの人に会っていなかったら…。今でも、そう思う時があります」と語るのはオーニック(株)の難波啓介社長。オーニックは、超精密な金属の放電加工を主体とする会社。吉備高原都市にある事業所では現在、14人(重度身障者が11人)の身障者が働いている。

難波社長がいうあの人とは、安井秀作さまと安井公平さま。障害を有する従業員が暮らせる住まいがほしいと願う難波社長の思いに応えたのが、このお二人。「皆さんが住む家を作りましょう!」と吉備高原に所有する自らの土地を提供し、建設を決意してくれた公平さまの信念が、身障者専用の従業員住宅『吉備高原ノースヴィレッジ』誕生への原動力となった。とはいえ当初、公平さまから「この地に賃貸住宅を建てたい」と相談された時、秦社長は「そんな場所には建てないほうがいいですよ」と応えていたそうだ。
しかし一年半も経った頃、公平さんのクルマに無理やり乗せられた秦社長は、吉備高原へと連れて行かれる。そこで建設予定地やオーニックでひたむきに働く従業員の姿を目の当たりにして、ついに公平さんの熱意に心動かされ、重い腰を上げた。「そこから、いろいろな手続きを経て、完成までにさらに一年もの月日が流れた。初めは、あきれていた公平さまの奥さまも、完成した『吉備高原ノースヴィレッジ』を前に、『いいものができたわ。これだったらお父さんが夢中になって、吉備高原に通いつめる気持がわかった』と小さくつぶやかれたのを今でも憶えています」と秦社長。人のためとなると、自分のことを忘れる…そんな公平さまがこの世を去って2年。今日も『吉備高原ノースヴィレッジ』は、あふれんばかりの緑のなかで輝いている。

能島孝洋さんは、そんな『吉備高原ノースヴィレッジ』に暮らし、オーニックで働く29歳。大学3年の終わり、バイク事故で車イスの生活となる。「会社ではCADを使って設計の仕事をしています。最初、部屋に入った時の感想ですか?広かった!今は暮らしやすい!たまに実家に帰ると、ここの素晴らしさを実感します(笑)」。


11年前、雨風を凌ぐ松の幹は、まだ細かった。歳月を経ることで、今はしっかり大地に根を張る大木となった。たくましく、立派に自立する、その姿はオーニックに集う人々に重なる。その人々を守り続ける『吉備高原ノースヴィレッジ』。「喜ぶ人の顔が見たい」という亡きオーナー・安井公平さまの志は、今もここにある。

吉備ノースヴィレッジ

取材メモ

2000年11月15日に竣工した『吉備高原ノースヴィレッジ』。秦建設(株)とともに、その完成にむけて挑んだ施主の安井公平さま、関西福祉大学・学長の安井秀作さま、オーニック(株)の難波啓介社長の熱き志を、岡山『Osera(オセラ)』2011年8月25日号)に掲載しました。取材を通じて、別の視点から語られたもうひとつの物語を「取材メモ」としてご紹介します。

人生には、「もしも、あの人に会っていなかったら…」という大きな出会いがいくつかある。オーニック(株)とその難波啓介社長にとっては、まず、安井秀作さま(当時、国立吉備高原職業リハビリテーションセンター所長。現在、関西福祉大学・学長)と、その従兄弟の安井公平さまとの出会いがそのひとつだった。オーニックは、放電加工を主体とする「ものづくり」の会社である。第3セクター方式で1982年に設立された身体障害者の能力開発訓練施「(株)きびNC能力センター」の関連会社として1988年に設立された。現在、27人の従業員のうち障害者は14人(重度障害者が11人)。一事業所における法定雇用率(※)をはるかに上回っている。

会社が位置する場所は、吉備高原の「きびプラザ」からクルマで2〜3分の自然に囲まれた地域。ここで働くためには、障害を有する彼らが通える、暮らしの場所が必要となる。この課題が浮上した時に、難波社長が相談したのが安井秀作さま。秀作さまは「障害者というひとつのテーマで、福祉を実現しましょう」という想いから、難波社長に公平さまを引き合わせた。オーニックでひたむきに働く従業員たちの姿に心を打たれた公平さまは、障害者専用の従業員社宅「吉備高原ノースヴィレッジ」建設への決意を固めた。公平さまが貫いていた。「喜ぶ人の顔が見たい」という想いが、さらなる出会いを呼び、実現してゆく。障害を有する従業員たちの暮らしの空間へと実現化していくまでには、もうひとつの大きな出会いが必要だった。実際に住まいを建てる、と動き始めた時、難波社長は公平さまを通じて、秦建設の秦啓一郎社長と出会う。
当時、周囲の土地利用は個人住宅に限られており、かなり集合住宅建設は難しい状態だった。公平さまは「あなたがやらなければならないんですよ」と何度も何度も秦社長に詰め寄ったという。そんな押し問答が約一年半。家族にも秦社長にも反対され、ひとり孤独に進めていた公平さんの熱意に、ついに秦社長も動き始める。しかし、そこから完成までの道のりは長く険しく、苦労の連続だった。県の定められた条件を満たすための周辺住民への配慮と同意の取り付けは、別荘地でもあったことから難航。夜、明かりがともるのを待ち住んでいるかどうかを確認しながらの説得となった。また、外観のデザイン性や内部の設備面でのニーズ…。ちょっとした工夫を、まず、秦社長が求めた。

「本当の優しさって、どういうものだろう」。これが、完成までの道筋で難波社長と秦建設が考え抜いたことだった。それらを根気よく解決してゆき、2000年11月15日、「吉備高原ノースヴィレッジ」は竣工の日を迎えた。1日だけの見学会であったが、80人を超える来場者があり、山ほどの誉め言葉と、来場者それぞれの想いが交わされた。世間の関心の高さが見学会のなかにあらわれていた。2009年に逝去された公平さま。実は、この時点までの強い想いに関しては、家族の賛成が建築中の段階においても十分に得られてはいなかった。出来上がった建物を見た時、公平さんの行為は「家族の誇り」として受け止められてゆく。
過保護ではなく、でも、必要なものは整備する。障害者を特別枠で「守る」のではなく、「みんなと一緒」で「少しだけ手助けをする」。これはオーニックでの働く環境と、「吉備高原ノースヴィレッジ」の住む環境の両方を貫く哲学だ。「障害があってもなくても、間違えたら怒られる、落ちているゴミは拾う」「(障害者だと業務効率が落ちるかもしれないという不安感を払拭するためにも)民間企業として、もうけてみせる」。そんなオーニックで働く従業員たちは、訪れた人たちを気持ちのよい挨拶で迎えてくれる。「ささやかな手を差しのべるだけでゴールできる人がいるなら、手を差しのべますよね。その時に喜びがもたらされるのは、手を差しのべられた側ではなく差しのべたほうにこそ、なんだと思います」。そう語る秦社長のそばで、難波社長がなんどもうなずいた。

吉備ノースヴィレッジ

※一規模以上(2007年時点で常用労働者数56人以上)の事業主は、障害者を一定割合以上雇用すべき法律上の義務を負う。これを障害者雇用(法定雇用)といい、その割合を、障害者雇用率(法定雇用率)という。その率は、一般の民間企業で1.8パーセント、特殊法人2.1パーセントなどと定められている。ウィキペデイアより抜粋。

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