チョウナの大工さんを順番待ち
安井家は、ご当主の安井公平さんが8歳のとき建った家で、すでに60年余りを経過しています。近年、障子や襖がきしんだり、床がぼこぼこするなど傷みが目立っていました。古い土蔵の風格ある家を、大事に守ってこられた安井さんは、その改修にあたり、家の形をできるだけ変えないで更に百年もつように再生したい、と考えられました。
そこで、さっそく秦建設に話をもっていくと、ちょっと待って欲しいとのこと。「チョウナ(手斧)が使える大工さんが空くまで、ずっと待っておったんですよ。なかなか順番が来んのんです」5月にやっと順番が来て、まず、大々的な構造の調査が始まりました。
古民家の再生
古民家の再生には、着工前の下調べが肝心です。天井や床や壁をはいで、通し柱と太い梁の木組みを調べ、現状の構造図面を作るところから始めます。事前調査がしっかりできていれば、60年の間に生じた傷みに手を加え、狂いを直し、そうっと元に戻して次の代につなげることは、そう難しいことではありません。こういう古い家だと特に、その家が重ねてきた歴史に貢献できる喜びが、施行する側にもあるのです。ずれていた木組みを直し、床下の地盤をコンクリートで固め、床を張り、立て付けを替えるなど、作業は着々と進みます。
ご当主お気に入り・天井裏の遊空間
安井家では今回の工事で、屋根裏を遊空間に作り替えました。この遊びの空間は、丸太梁が目の高さに交差して、どーんと存在を示すその面白さに、わくわくします。
ここは安井さんお気に入りの隠れ場所で、「この前は連れ(友達)が来て碁を打ったけど、なかなか居心地がええな」とご満悦でした。
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