今年もさっそうとあの人が岡山にやって来た。
1年ぶり、今回で6回目となる「秦建設」セミナーへの参加。「5連覇を逃した原監督の将としての所作に注目している」と秦社長。なし得なかったからこそ、見えてくるものは何か。原監督が自身の想いを語る。
2019年1月3日、青学大は復路を5時間23分49秒の大会新記録で駆け抜けたものの、6位から2位まで順位を上げるのが精いっぱい。連覇が4で止まった原監督は「東海大さんが立派だった」と新王者を讃えた。 「私自身、過去のデータにとらわれ過ぎた。毎年同じことをやればよいのではなく、進化していかないと退化する」 と唇をかんだ原監督。それでも原監督自身驚いたのが選手の気丈ぶり。 往路で大幅に出遅れても選手たちの心は折れていなかった。事実、復路の5人全員が区間1、2位の好走。それは彼らの意地と底力によるものだった。 講演のなかで原監督はあらためて「進化を止めると退化する。立ち止まると後退する」と繰り返した。勝つための組織術、リーダー像については...。「大切なのは五感で感じること。たとえば、『おはよう』とドアを開けた瞬間、チーム (選手)の空気を感じることができるかどうか。その観察眼、直感力がリーダーには必須です。そして、『無駄の大切さ』。効率化は大事ですが、一見無駄だったと思われるものから得られるものがあると感じます。
以前、ノーベル賞を受賞された研究者の方が、『プロセスは無駄ではない。無駄のなかにこそ発見がある』という話をされているのを聞いて、まさにわが意を得たりと思いました」と原監督。
その言葉に秦社長は、私たちのもの作りも同じです。時には遠回りしたり、凸凹道を通ったり...。『意味のある無駄』というのか、そうした異端が思わぬ発見や知恵を生み出す。だから人生時々は、道草も大事なんです」。
人生、山あり谷あり。 人生という長丁場で勝ち続ける。さらに次の世代も勝ち続ける環境作り。「それはまさに「駅伝』そのもの」と秦社長は、会場の参加者に訴える。 「2020年に向けて、捲土重来(けんどちょうらい)を期す原監督の動きが愉しみでなりません」と秦社長。原監督の言葉をかみしめながら、晴れやかな笑顔に包まれて、秦建設セミナーは和やかに終わった。
取材終わりに秦社長がぽつりと、「今は雌伏の時。ただ時が来たら龍が天に昇るがごとく一気に駆け上るはず」と原監督を評した。そして、 いよいよ真価が問われる2020年。 原監督と青学大陸上競技部の飛躍に期待したい。
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